お薬Q&A

処方箋への落書きは大丈夫?薬剤師が教えるOK/NGラインと安心対処法

病院でもらった処方箋の裏に、うっかり子どものお迎え時間や買い物リストをメモしてしまった…。

「あ、しまった!この処方箋、薬局で受け取ってもらえないかも?」と不安に思った経験はありませんか?

特に、ご家族の分もまとめて薬を受け取る方や、忘れないようにメモを取る習慣がある方にとって、これは“あるある”な悩みかもしれません。

結論から言うと、処方箋の裏面や余白へのちょっとしたメモ書き(落書き)であれば、多くの場合、問題なくお薬を受け取れます。

しかし、書き込んだ場所によっては「改ざん」と見なされ、処方箋が無効になってしまうケースも。

この記事では、練馬区上石神井の「薬局クレストⅡ」が、処方箋の落書きに関するOK/NGラインと、万が一書いてしまった際の安心な対処法を、地域の皆さまへ向けて分かりやすく解説します。

処方箋の裏への「落書き」、基本的には大丈夫な理由

「処方箋の裏にボールペンでメモしちゃったけど、使える?」 「病院の待ち時間に、子どもが裏にお絵描きしてしまった…」

こんな時、焦ってしまいますよね。

でも、安心してください。処方箋の裏面や、処方内容が書かれていない明らかな余白へのメモや落書きは、ほとんどの場合、問題なく受け付け可能です。

なぜなら「処方内容の改ざん」ではないから

薬剤師が処方箋で最も重視するのは、「医師が指示したお薬の種類・量・用法が正確であること」です。

裏面のメモ書きは、処方内容そのものを変更するものではないため、多くは単なる「メモ」として扱われます。

実際に、患者様からのご相談を受けても、裏面のメモが理由で受付をお断りすることは、まずありません。

このように、多くの方が同じような経験をされており、実際に薬局で受け付けてもらえています。

私たち薬剤師も、患者様がメモを取りたくなる状況は十分に理解しておりますので、ご安心ください。

【WEBのリアルな声】

Q. 「処方箋の裏の白紙の所にボールペンでメモ書きしてしまいましたが処方箋は使えますか?」

A. 「使えますよ!⭕️∩^ω^∩★彡」(Yahoo!知恵袋より引用)

要注意!処方箋の「落書き」でNGになる危険なケース

要注意!処方箋の「落書き」でNGになる危険なケース

一方で、「これはNG」という明確なラインも存在します。

それは、処方内容が記載されている「表面の処方欄」へのいかなる書き込みです。

たとえ悪気がなくても、ここに何かを書き加えてしまうと、処方箋の「改ざん」を疑われる可能性があり、法律(刑法第159条 私文書偽造等)に触れるリスクもゼロではありません。

処方「欄」への書き込みがNGな理由

薬剤師は、処方欄に書かれた内容が100%医師の指示である、という前提で調剤を行います。

もし、そこに患者様による追記や修正があると、どれが本来の指示か判断できなくなってしまいます。

<ここに書いたらNG!な場所の例>

  • 医薬品名や規格・数量

  • 用法・用量(例:「1日3回」を「1日2回」に書き換えるなど)

  • 処方日数

  • 医師の署名や押印の近く

  • 公費負担番号などの公的な記号・番号欄

これらの場所に線やメモを書いてしまうと、医師に電話で確認(疑義照会)する手間が余計にかかったり、最悪の場合は処方箋の再発行が必要になったりします。

ボールペン?鉛筆? 筆記用具による違いは?

患者様ご自身がメモされる場合、ボールペンでも鉛筆でも裏面であれば大きな問題にはなりません。

ただし、私たち薬局スタッフが業務上の確認で何かを書き込む際は、後から消せる「鉛筆」を使うのが原則です。

これは、処方箋という公的な文書の情報を汚さないための配慮です。

患者様が処方内容を訂正する意図でボールペンなど消せないペンで線を引いたりすると、改ざんの意図を疑われやすくなるため、処方欄には絶対に何も書かないようにしましょう。

うっかり書いてしまった!処方箋の落書きに気づいた時の安心対処フロー

うっかり書いてしまった!処方箋の落書きに気づいた時の安心対処フロー

「NGな場所に書いてしまったかも…」 そんな時も、パニックになる必要はありません。

以下の3ステップで冷静に対応しましょう。

ステップ①:まずは薬局に電話で相談する

ご自身で「これは大丈夫かな?」と判断せず、まずはお手元に処方箋をご用意の上、かかりつけの薬局に電話で相談してください。

口頭で状況を伝えるだけで、適切なアドバイスがもらえます。

ステップ②:どこに・何を書いたか正直に伝える

電話や薬局の窓口で、処方箋のどの部分に、どのような内容を書き込んでしまったのかを正直にお伝えください。

  • 例1:「裏面のなにもない所に、ボールペンで買い物リストを書いてしまいました」

  • 例2:「お薬の名前の横に、間違えてチェックマークを付けてしまいました」

正確な情報が、薬剤師が迅速に判断するための助けになります。

ステップ③:薬剤師の案内に従う(再発行が必要な場合も)

薬剤師が処方箋の実物を確認し、対応を判断します。

  • 問題ないケース: そのまま受け付けて調剤します。

  • 医師への確認が必要なケース: 薬局から処方元の医療機関へ電話で確認(疑義照会)します。少しお時間をいただく場合があります。

  • 再発行が必要なケース: 処方内容の判読が困難、または改ざんの疑いが強い場合は、大変恐縮ですが、処方箋を発行した医療機関での再発行をお願いすることがあります。

いずれの場合も、患者様が不利にならないよう、私たちが責任を持ってご案内しますので、安心してご相談ください。

【まとめ】処方箋の落書きは一人で悩まず、まずはお近くの薬剤師へ

【まとめ】処方箋の落書きは一人で悩まず、まずはお近くの薬剤師へ

今回の内容をまとめます。

  • 処方箋の裏や余白へのメモ(落書き)は、ほとんどの場合OK!

  • お薬の名前や用法・用量が書かれた「処方欄」への書き込みは絶対NG!

  • うっかり書いてしまったら、自分で判断せず、まず薬局に電話で相談するのが一番安心。

処方箋は、あなたの健康を守るための大切な「お薬の設計図」です。

少しの書き込みでも不安に感じたら、どうぞ一人で悩まないでください。

私たち練馬区上石神井の「薬局クレストⅡ」は、地域のかかりつけ薬局として、皆さまのこうした小さな疑問や不安にも、一つひとつ丁寧にお応えします。

処方箋のこと、お薬のこと、健康のことで気になることがあれば、いつでもお気軽にお立ち寄り、ご相談ください。

  • お電話でのお問い合わせ03-5991-7651
  • アクセス:練馬区上石神井2-27-5(MAP)

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